腸内細菌と健康―善玉菌は本当に「いいやつ」なのでしょうか?

私たちの体には多くの同居人がいます。

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その中で最もたくさん住んでいるのは腸内細菌です。

ヒトの腸内細菌は、善玉の菌と悪玉の菌、そのどちらでもない中間の菌と、3つのグループに分けられ、これらは互いに密接な関係を持ち、複雑にバランスをとっています。

最近、動脈硬化性疾患と腸内細菌の関わりについての報告が相次いでいます。

ワインや果実に含まれるアントシアニンというポリフェノールは、動脈硬化巣マクロファージのコレステロールトランスポーターを増やして、善玉コレステロールであるHDLにコレステロールを受け渡し、動脈硬化の進行を抑える作用を持つことが知られていました。

しかし、この作用を実際に発揮するのはアントシアニンそのものではなく、アントシアニンが腸内細菌によって代謝されたものであり、腸内細菌叢を抗菌薬でこわすと代謝物ができなくなりこの作用が消失するとのこと。一方、つい最近、腸内細菌叢により産生された物質が動脈硬化性疾患発症を助長する可能性があると発表されました。

それによると肉や乳製品に豊富に含まれるリン脂質の腸内細菌による代謝物の血中濃度が高い人ほど、将来、心血管疾患にかかりやすいとのこと。

前者が善玉菌、後者が悪玉菌、と断じがちですが、腸内細菌の多くは善玉であるといわれます。

人間と同じで、善玉菌にもベビーフェイスの裏には別の顔があるということか、などとつい考えてしまいますね。