不整脈

不整脈はその症状が出ているときに検査をしないと異常が分からない場合が多く診断ができません。ホルター心電図は下図のように心電図をお体に取り付け、通常24時間、日常生活を送っていただきながら心電図を記録する検査です。動悸などの症状をメモに記録していただき、症状と心電図の波形を照らし合わせることにより正確な診断が可能となります。

主な不整脈

1 心房細動

心房細動は不規則な脈を認める代表的な不整脈です。心房細動は当初、時折出るタイプの「発作性」として発症することが多く、しばしば強い動悸などの症状を伴います。逆に全く症状のない場合もあります。
心房細動は弁膜症などの心臓病に合併することもありますが、心臓病のない心房細動の頻度が高く、心房の中で血の塊を作り、それが脳血管へ飛んで脳梗塞を発症することが問題となっています。
心房細動の治療の柱は、①不整脈自体の治療(お薬、カテーテルアブレーション)②抗凝固療法(お薬で血液を固まりづらくする)の2つです。

 

2 徐脈性不整脈

心房細動の症状は動悸ですが、「めまい」「失神(しそうな感じ)」という症状を来すのが徐脈性不整脈です。「めまい」は内耳によるめまいとは異なり、目が回る感じは少なく、めまいの続く時間は数秒以内と短いものが繰り返すという特徴があります。
この徐脈性不整脈の診断にもホルター心電図が有用で、図のような発見につながります。
徐脈性不整脈はお薬によるものもあり、その中止で治るものもありますが、症状により心臓ペースメーカーの植込みが必要となる場合があります。

一過性の「めまい感」の原因が徐脈性不整脈だと判明(*ではしばらくの間、心臓が止まり脳への血液供給が途絶えるため「めまい」がでる)

 

3 心室細動

他の不整脈と異なり、心室細動ではまったく血液が脳に送られないので、突然気を失います(失神)。数分放置すると死に至るため「致死性不整脈」といわれます。冠動脈疾患のひとつである心筋梗塞や心機能が著明に低下した際に出現しやすく、直ちに心臓マッサージ・AEDによる治療をしないと数分で脳死になります。

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