83歳の男性が、2~3日前から「新聞の漢字が読めない」という訴えで来院されました。
「予防」などの平易な字 を読むことができず、好きな言葉である「熟慮果断」や、受診先である「防衛医大」が書けなくなっていました。
一方で、他の症状はまったくありませんでしたが、主治医は脳血管障害の可能性を考え、緊急入院となりました。
緊急でMRIを行ったところ、最近生じた脳梗塞の所見が得られ(黄色・水色の矢頭、白い部分が脳梗塞)、これのために漢字だけが読めなくなっていることが分かりました。脳梗塞の治療により、漢字が読めないという症状は徐々に改善を認めました。
脳梗塞というと、「ろれつが回らない」「半身不随」「ことばが出ない」などが典型的症状ですが、このような症状もあるのですね。
我々も大変勉強になりました。