現役医師20人に聞いた「患者には出すけど、医者が飲まないクスリ」

現役医師20人に聞いた「患者には出すけど、医者が飲まないクスリ」

現代医療の問題について、週刊誌が不適切な記事の掲載をなかなかやめないので、こちらも意地になってしまいます。

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昨年号の上記タイトル記事が出た頃、患者さんから「先生もこの薬を飲みますか?」と聞かれることが多かったので、今月はそのような記事をどのような姿勢で読むか(本当は読まないのがいいのですが…)、コメントしようと思います。
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まずは、明らかにおかしな内容の記事から。。。

高脂血症ースタチン系薬(メバロチン、リピトール、クレストール、リバロなど)「私自身、スタチン系薬剤の服用によって副作用が出現し、……自分の患者には出さない」(大学病院・50代内科医)

骨粗しょう症ーアレンドロン酸ナトリウム(フォサマック)「自分が内服したときじんましんが出て、….副作用が強いので飲みたくない」(OO医師)

脳卒中予防―チクロピジン(パナルジン)「投与した患者の全身に黄疸が現れ、重度の肝障害が出た経験がある。このクスリが必要となっても自分は飲まないだろう」(OO医師)

この3人のお医者さんのおかしいところは、個人的な経験をすべての患者さんに当てはめているところでしょう。
冷静な態度とは言えません。
以前も書いたとおり、どんな薬でもこのような副作用は起こりえます。出る出ないは個人差です。

糖尿病ーイブラグリフロジン(スーグラ)「腎臓の糸球体にブドウ糖が沈着して糖尿病性腎症が悪化する可能性があり…」(OO医師)

明らかに間違った医学知識です。どこで勉強したのでしょうか?

高血圧―アムロジピン(アムロジン)「血圧が下がりすぎる。血圧の基準は年齢+90が妥当と考える」(OO医師)

多くの臨床試験の結果をまとめた「診療ガイドライン」を参考に、個別の患者さんの血圧治療目標を考えるのが普通の医師がすることですが、このお医者さんは年齢で一律に考えると言っています。

同じ年齢の人でも血圧を下げる/下げてはいけない、いろいろあるのですが。

このような医師が国家試験に合格出来るとは思えないので、やはり週刊誌側が記事を脚色しているとしか思えません。

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おかしな記事が多いのですが、正しいことも書いてあります。

糖尿病―グリベンクラミド(オイグルコン、ダオニール)
「低血糖がおこるリスクが高い。腎機能が低下した高齢者は低血糖が慢性化しやすい」(大学病院・50代内科医)

風邪―非ピリン系感冒薬
「PL顆粒などがこれに含まれるが、そもそも総合感冒薬と言われるクスリはすべて風邪を治す効果はない」(内科医)「前立腺肥大のある男性では、尿が出にくくなることも」(OO医師)

風邪―抗生物質(セフゾン、フロモックスなど)
「そもそも風邪はウィルス感染によって起こるため、抗生物質は全く効果はない。副作用によって、かえって症状が悪化してしまうことがある」(内科医)

上記の記載は正しいです。特に、不必要なPLや抗生物質を欲しがる人は多いです。

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このように、患者さんにとって週刊誌の記事が正しい/誤っていることを判断することは難しいことです。
鵜呑みにしないのが一番大事な姿勢だと思います。