コレステロールが高い

41歳の男性が、健診で血中コレステロール値が高いと指摘され受診されました。

拝見すると、生活習慣の乱れによる中年期以降の高コレステロール血症ではないと感じました。なぜなら、目の「角膜(黒目)」にリング上の白い輪っか(角膜輪)があり、アキレス腱が正常よりもかなり厚かった(正常9mm以下、この方は15mm)からです。
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これらの所見は、生まれつき悪玉(LDL)コレステロールが高くなる遺伝病、「家族性高コレステロール血症」に特徴的な ものです。この家族性高コレステロール血症は、通常の高コレステロール血症と異なり、幼少期からコレステロール値が高いので、動脈にコレステロールが蓄積(たまる)する期間が長いため、若いうちに心筋梗塞・狭心症などの動脈硬化による心臓病を引き起こします。

ひだり みぎ

グラフのとおり、「コレステロールの積立期間が長い」ため、血管にコレステロールがたまっていくのです(上図)。これがお金だといいのですが。このように、この家族性高コレステロール血症はより危険度が高いので、通常の高コレステロール血症の治療方針とは異 なる考え方で望みます。お知り合いでコレステロールが高いと言われた方がいらっしゃれば、医師にアキレス腱を触ってもらったか、甲状腺ホルモンを測定してもらったか(甲状腺機能低下症で高コレステロール血症になります。しばしば見逃されています)、確認してあげてください。