若い頃に、運動中にふくらはぎがつる「こむらがえり」を起こした経験を持つ方が多いでしょう。年をとると運動したわけでもないのに、特に夜中に、こむらがえりが多く出るようになります。心配になりますね。
この「こむらがえり」、「足の症状」で紹介したすべての病気で起こりえます。軽く考えずに一度ご相談ください。
これらの病気以外では、以下のような病態で起こりえます。
- 電解質異常(ナトリウム、カリウム、マグネシウムなど)
- 神経・筋疾患
- 糖尿病性神経障害
- 甲状腺異常
- 薬剤(利尿薬、コレステロール低下薬など)
これらの病気などが否定されれば、まずは安心ですが、高齢者のこむらがえりは運動不足を反映することが多いのです。
病気からくるものでない夜のこむらがえりは、日中じっとして動かない人に多く認められます。心臓病や整形外科の病気で運動を止められている人以外は、どんどん運動しましょう!
それでも治らないこむらがえりは、日常生活の困り具合により薬物治療の適応となりますが、この薬物にも少し注意が必要です。
よく使用されるお薬として、漢方薬の「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」があります。この薬、よく効いたとおっしゃる患者様もおられますが、中には血液中のカリウムが低下し、逆にこむらがえりがおこりやすくなってしまった、というケースがあります。こむらがえりだけでなく、血圧が高くなる場合もあるので注意が必要です。