『ダマされるな!医者に出されても飲み続けてはいけない薬』

以前から、無責任なマスコミに惑わされて、中止してはいけないお薬を自分の判断で中止され、心筋梗塞などの重篤な病気が再発し、死亡されたり重い障害が残る患者さんを何人か経験してきました。
いつもは相手にしないのですが、今回はひどいのでコメントしようと思います。
 まず、この記事で出てくる、脂質低下薬クレストール(他にリピトール、メバロチンなどの類薬あり)、降圧薬ブロプレス(他にオルメテック、ミカルディスなど)は僕が好んで処方するお薬です。
僕が医師になったばかりの頃は、これらの薬がなかったので、多くの方が心筋梗塞、心不全であっさりお亡くなりになっていました。
しかし、これらの薬が登場して以来、当時よく診た重症の心臓病はかなり少なくなったと実感しています。
科学的にも、これらのお薬により3~4割の方が死亡を避けられていることが証明されているのです。
そういった効果を無視して、「脂質低下薬は筋肉が崩壊する横紋筋融解症という怖い副作用があるから飲まない方がいい」というのはいかがなものでしょうか?横紋筋融解症は数千〜数万人に一人というまれな副作用で、医師25年目の僕は直接診たことがありません。事故の可能性があるから、自動車に乗るな、と言っているのと同じです。
 製薬会社の宣伝が医師の処方に影響して、かれらの利益に医師が加担しているということもマスコミでよく言われることですが、そういう医師はアドバイザー契約や講演で報酬を得ている一握りの医師だけで、多くの医師は日々勉強し、個々の患者さんに応じた治療選択をする努力をしているのです。
テレビなどのマスコミに連日登場する医師は、そういう勉強をしたり、患者さんとふれあう大切な時間をテレビに出ることに使っているわけですから、そういう人が信用できるかどうかは推して知るべしです。
僕が声を大にして言いたいです。ダマされるな!と。